- 自家製・梅の酵素シロップの作り方と注意点
- シロップ発酵中の泡について
- 梅の酵素シロップでできた副産物活用法
- 梅以外で作る酵素シロップについて作り方のポイント

自家製梅の酵素シロップを、暑い夏に炭酸水で割って飲むのが楽しみなみえったです。
多種ある手作り酵素シロップの中では、短期間で完成するのが梅で作る酵素シロップです。
初めての発酵酵素シロップ作りに、梅はピッタリ◎
今年は自分で梅酵素シロップを作ってみませんか?



ちょっとしたコツさえ知っておけば誰にでも簡単に作れます♪
本記事では初めての人でもわかるように、わかりやすく解説しながらレシピをお伝えします。



みえったです。
「伊・食・旅」をテーマに情報発信しています。
- イタリアの複数機関でオリーブオイルを学び、資格を取得
- 他3つの「食に関する資格」を保有
- 旅が好きな元国際線CA
梅を使った自家製酵素シロップについて


爽やかな酸味と甘さがおいしい梅の発酵酵素シロップ。
材料として使う梅の果実には、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸が多く含まれています。



梅に含まれる有機酸は、梅雨の時期から夏にかけて摂るといいらしいよ!



そういえば、疲れた時や猛暑で身体がだるく感じた時に梅酵素シロップが飲みたくなるわ・・・
\猛暑の時期、積極的に梅を摂りたい理由/
梅は有機酸を豊富に含み・・・(中略)ヒトにおいて、日常生活における疲労感や、軽い運動による一時的な疲労感を軽減する効果が報告されています。(中略)夏バテのような暑さに因る疲労に対しても梅が有効である可能性が示されています。
一般社団法人「梅研究会」梅の効果効能研究情報より抜粋
旬の梅を使って作った自家製酵素シロップを飲んで、ジメジメした梅雨のシーズンや真夏の猛暑を乗り切りましょう。
梅で作る酵素シロップの作り方【レシピを詳しく解説】
それではさっそく作っていきましょう
準備するもの



わたしは今回2kgの梅を使いました。
手に入った梅の重さから計量した材料を準備してくださいね。
- 梅の実
青梅でも完熟梅でもミックスでもOK - 梅の他に旬の果実をサブとして複数種類(ビワ・プラム・サクランボ・イチゴ・スモモ・ブルーベリーなど)
▶メイン果実は梅なのですが、梅単品で作るよりも複数の種類の果実を少し入れた方がバランスのよい酵素になります。→必ず国産で旬の果実、もしできるなら地元産のものを使うようにしてください。 - 上白糖
仕込む果実の重量の1.2倍(2kgの梅だと2.4kgの砂糖が必要。サブの果実分と合わせ3kgの砂糖を準備しました)
▶使う砂糖の正確な量は、水洗い後の果実を計量してから計算して決めます。 - 仕込むときに使う容器(>>容器のサイズについて確認する)
今回はガラス製の広口瓶を使用しました。仕込みの量によっては、漬け物用の黄色い樽を使うこともあります。
▶注意点は、梅酒などアルコールを入れていた容器は使用しないこと。瓶に酵母が残っていて異常発酵してしまいます。 - 濾すときに使う大きめのザル
(もし必要ならば100円ショップで売られている金魚すくい用の網やじょうごも) - 米麹をひと握りほど
発酵には自身の皮膚についている常在菌を使いますが、よりよい発酵のために米麹も入れています。
スーパーで売られてる米麹でOK。
大量に使う新鮮な梅は産地直送が便利
\6月初旬に発送開始予定です/
余った梅は、梅干しや梅酒・梅ジャム・梅味噌作りにも活用できますよ◎
梅の酵素シロップの仕込み方
準備した梅や他の果実を水洗いし、梅のヘタの部分を爪楊枝など先のとがったもので丁寧に取り除きます。


ヘタを取った梅の実を、下の写真右のような感じで包丁で3等分します。
種のある中心部分と両端部分2つにカットする感じです。


左:容器に入れて砂糖をまぶした梅
梅以外の果実も包丁でカットします。
カットの仕方は果実の大きさや形にもよりますが、小さな果実なら2分割でも大丈夫。



ブドウのようなやわらかな果実はカットの必要はありません。
仕込み時に、果実を指で潰してたらOK。
準備した容器の底に砂糖を薄く敷き、梅やその他の果実をカットした面に砂糖がつくようにして入れます。
その上に少し砂糖を入れ、またその上にカットした果実…と、砂糖と果実を交互に入れて行きます。
最後いちばん上の層が砂糖になるようにします。米麹は、最後の層の砂糖の前に入れます。



いちばん上の砂糖の層は、お砂糖で蓋をするイメージです。
これで仕込みは完了です♪
仕込み終えてから数時間経つと・・・


こんな感じで砂糖がしっとりしてきました。
このまま翌朝まで何もせずに置いておきます。
今回は午後に仕込みましたが、もし午前中に仕込んだ場合は夜に攪拌してください。攪拌の仕方は次で説明します。
なお、発酵の途中では気泡が出ることがあります。
気泡による内部圧力の高まりが原因で、瓶のガラスが割れてしまうことがあります。
付属のフタは使わずにティッシュペーパー(またはキッチンペーパー)と輪ゴムでフタをすることをおすすめします。
仕込みの翌日
翌朝(2日目の朝)、こんな感じになりました。





まだ攪拌前の状態です。
浸透圧で、梅の果実からエキスがでてきていますね。
瓶の底には砂糖が沈んでいます。少し泡が出ているのもわかります。
攪拌の仕方と常在菌のこと【1日2回の手しごと】
仕込みから2日目の朝に、最初の攪拌をします。
流水でよく手を洗いペーパータオルなどで水気を丁寧に拭き取った後の素手で、攪拌は行います。



長袖の袖は、できるだけ上まで腕まくりしておきましょう。
コツは、容器の底で固くなっている砂糖を手の指で崩していくイメージ。
あまりかき混ぜすぎると発酵が進みすぎてしまうので、ひととおり砂糖が混ざったら素早く終了します。
これを1日2回、朝と晩に行います。


今回は仕込みから3日目で、底の砂糖がすべて溶けました。
写真は、仕込み日から4日目の様子です。


このように砂糖が完全に溶けたあとも、毎日朝と晩の2回、軽く攪拌を行います。



空気をまんべんなく入れるように、梅を天地返しして混ぜています。
攪拌を素手で行う理由は、手の皮膚についている常在菌を酵素シロップに入れるため。
ぬか漬けをつくるのに、素手でぬか床をかき混ぜるのと同じです。
常在菌についてはここでは長くなるので書きませんが、興味を持たれた方は「常在菌」で検索してみると沢山出てきます。



自分の常在菌で作った発酵食品を体内に入れることは、自身の身体を守ることにつながります。
攪拌する時には「おいしく育ってね」という気持ちを込めて混ぜると、よい発酵をしてくれるようです。
なお、自分でぬか漬けを作っている方には・・・
- 最初に酵素シロップをかき混ぜる
- 次に、その手でぬか床もかき混ぜる
・・・という手順がおすすめ!



手についた酵素シロップのエキスが加わり、発酵の相乗効果でぬか床が元気になりますよ!
酵素シロップを濾すタイミングの見極め方
今回は仕込みから5日目で、ザルを使って濾しました。
もしザルで濾しきれなかった小さな果実がシロップの中に残っていたら、
100円ショップで売られている金魚すくい用の網を使って2度濾ししてください。



注ぐ瓶の口の形状によっては、じょうご(漏斗)もあれば便利です♪
こちらが完成直後の発酵酵素・梅シロップです。


今回はユスラウメとイチゴなど赤いベリーを少し入れたので、ほんのり赤い色になりました。
お疲れさまでした。これで完成です。
出来上がった酵素シロップは、炭酸水で薄めて飲んでください。
なお、濾すタイミングはその時の条件によって毎回違うので、必ず「仕込んでから〇日目に濾します」とはなりません。
例えば今回、梅で酵素シロップを仕込み始めた6月初旬の気温はもうかなり高く、発酵も早く進みました。
果実系の酵素シロップはアルコール発酵しやすい傾向もあるため、5日目で濾しました。
通常の時期では、酵素シロップを仕込んでから濾すまで1週間ほど・・・寒い季節には2週間近くかかることもあります。
毎日シロップに手を入れて攪拌するときに感じる感触(温度・手触りなど)や中の具のしぼみ具合の変化を頼りに、シロップを濾す日を決めています。



シロップを濾す日の見極めは、自分の経験に頼るところ。
変化をキャッチしてタイミングを決めてくださいね。
濾した後もまだ発酵熟成は続いています。だんだんまろやかな味わいになっていきますよ。
【基本】バランスのよい酵素シロップを作るコツ
おいしくてバランスのよい酵素シロップを作るコツを、もう一度まとめておきます。
- 具は国産のもの、旬のものを使うこと
- 単品で作るのではなく、最低でも4種類から5種類のものを入れて仕込むこと
(種類は多い方が、酵素の種類も増えてバランスのよい酵素シロップとなります) - 「おいしくな~れ」と思いながら攪拌
- 発酵中は、人が快適と感じる室温の場所に置いておく
(寒すぎたり暑すぎたりする部屋はNG) - 発酵飲料・発酵食品から距離を置いた場所に置き、異常発酵しないよう気をつける
【酵素シロップ】発酵中の泡について
前にも書きましたが、発酵の途中で気泡が出ることがあります。
今回、梅の酵素シロップづくりでは、仕込み2日目にぷくぷくと泡が出ました。
それ以降は特に目立つ泡は観察できませんでしたが、完成して1週間位した頃から、また気泡が出たり収まったりが続いています。
これまでの経験から言えるのは、泡が出る出ないはあまり気にしなくてもよいということ。
その時その時の気温や仕込む種類・量などによって発酵過程は毎回異なります。
気温が高い方が泡が出やすい傾向はあります。
泡が出ても出なくても発酵は続いていて、やがて熟成段階へとゆるやかに移行していきます。
濾した後も、まるで生ビールのような気泡が出続けることがあります。


以前、完成後に移し替えた瓶のフタをうっかり閉めて保管していたら、ビンが割れてしまったことがあって。



酵素シロップからでてくる泡のせいだね!
酵素シロップのパワー恐るべしです。気をつけてくださいね。


仕込み中だけではなく、完成後にも気泡が出ることがよくある酵素シロップ。
発酵が落ち着くまで(仕込んでから半年~1年くらい)は様子を観察し、空気の内部圧力が原因でガラス瓶がひび割れてしまわないよう、ティッシュペーパーなど通気性があるものでフタをするようにしてください。
【泡はもう出ない?】長期熟成させた梅酵素シロップ
筆者が初めて梅酵素シロップを作ったのは2012年。今からおよそ10年前のことでした。
その時に沢山作りすぎたので、
瓶詰めした中の1本を取っておいて、10年後に飲もう!
と、大切に保管しておいた梅酵素シロップがあって、先日解禁しました



デスクワークのブレイクタイムに、毎日1杯ずつ飲んでいます♪
10年も熟成させると、さすがに泡は落ち着き、フタもきっちり閉めることができます。


10年熟成の酵素シロップを飲んでみて、印象的だったのは香り。フタを開ける度にふわぁ~と梅の香りが広がるのです。
味は作りたての時よりも雑味がなくなり、丸くまろやかになっていました。



まるでヴィンテージのようだね!
なお、作った酵素シロップをすぐに飲まないで何年も熟成させる場合、異常発酵を防ぐためにも保管環境には充分気をつける必要があります。
\自家製酵素シロップを長期熟成させるためには/
- 1年を通して温度変化のない冷暗所に保管する
ワインセラーのような環境があればベスト - アルコール飲料や発酵食品に近づけない



ワインセラーのような環境がないと管理が難しいので、酵素シロップを長期熟成させるのは基本おすすめしません。
酵素シロップ作りに白砂糖を使う理由
ところで酵素シロップをつくる時に、どうして白砂糖なのか?気になりますよね。
三温糖や黒糖や甜菜糖・ハチミツでも出来ないことはないのですが、
ミネラルが不純物となり発酵の邪魔をするので、筆者は白砂糖を使っています。



「単糖類」は消化吸収がよく、エネルギーに変わりやすい糖です。
白砂糖以外の糖で酵素シロップを仕込むことを提案している方もいらっしゃいます。
CMでよく見かける〇〇酵素の広告には、沖縄産黒糖が使われていると書かれていました。
筆者は白砂糖推しですが、いろんな糖を使う方法が存在しています。
梅酵素シロップの副産物活用アイデア
梅で作った酵素シロップが完成!
濾した後に残った梅の実は、このようにシワシワになりました。


果実からはほとんどの栄養分が抽出されてシワシワに萎んだ梅の表面には、酵素シロップがわずかに残っています。
この梅をお醤油につけて、梅醤油もどきをつくりました。


酸味と甘みを含んだこの醤油は、納豆や冷奴にかけたりしています。
他のアイデアとして、残ったシワシワの梅を洗濯用ネットに入れ、お風呂の中に入れても◎



酵素効果なのか、お風呂から出た後も湯冷めしにくいように感じています。
【酵素シロップ作り】使用する容器について
使用するビンの容量は、仕込む時の梅の量によって臨機応変に変えています。
\瓶の大きさを決めるときにたいせつなこと/
発酵酵素シロップを仕込む量は、ビンの容量の7分目以内を目安にしてください。



今回わたしは5リットルの瓶を使りました。
仕込みの量によっては、漬け物用の樽を使うこともあります。



もし漬け物樽を使って仕込み・発酵過程を行った場合でも、酵素シロップ完成後はガラス製の容器に移し変えて保管してくださいね。
なお良い発酵の条件のひとつとして、発酵中の容器の中に空間(空気)が十分にあるというもの大事なこと。
もし購入時にビンのサイズを迷ったら、大は小を兼ねるので大きめのビンを購入するのをおすすめします。
そして大切なことですが、
仕込み中はもちろんのこと、シロップ完成後も、置き場所には注意が必要です。
酵素シロップは生きています。異なる酵母が入ると異常発酵してしまうことがあります。
ワインや梅酒などのアルコール飲料や納豆などの発酵食品から常に距離をとって、保存ビンを置くようにしてください。
【応用編】他の季節に作る酵素シロップについて


酵素シロップは、梅以外の果実でも仕込むことができます。



通販でもいろんな酵素シロップが販売されているのを見かけるよ!
本記事で紹介したレシピの梅をほかの果実に置き換えるだけ。ぜひいろんな酵素シロップづくりにもチャレンジしてみてください。
【共通】おいしくバランスのよい酵素シロップを作るコツ
- 具は国産のもの、旬のものを使うこと
- 単品で作るのではなく、最低でも4種類から5種類のものを入れて仕込むこと
(種類が多い方が、酵素の種類も増えてバランスのよい酵素シロップとなります) - 「おいしくな~れ」と思いながら攪拌
- 発酵中は、人が快適と感じる室温の場所に置いておく
(寒すぎたり暑すぎたりする部屋はNG) - 発酵飲料・発酵食品から距離を置いた場所に置き、異常発酵しないよう気をつける



梅の酵素シロップを作るときのコツと同じだね。


ただし、ひとつだけ変えてほしいことがあります。
梅で仕込んだ時より、上白糖の量を減らしてください。
本記事で紹介した梅の酵素シロップで使った砂糖の量は、仕込む果実の重量の1.2倍でした。
一方、通常時期での酵素シロップ作りでは、仕込む果実(野菜・野草)の1.1倍の砂糖を使います。



どうして梅酵素シロップでは1.2倍と砂糖を多めに使用したの?
梅仕事の季節は気温が高くなっているため、発酵のスピードも早くなります。
発酵スピードを抑制するため、梅の酵素シロップ作りでは例外的に砂糖の分量を仕込む果実の1.2倍にしました。
【季節の手しごと】梅酵素シロップをつくろう|おわりに


本記事では梅の酵素シロップ作りについて、詳しく紹介しました。
季節に寄り添う作業や食をしていると、カラダもココロも不思議と整ってくるのがわかります◎



心身のリセットのためにも「季節の手しごと」はおすすめ♪
疲れた時や夏バテしそうな時に飲みたくドリンクのひとつ、梅酵素シロップ。
自分で作ると味わいも格別です!今年は梅の季節にぜひ作ってみてください。



先人の言葉「梅はその日の難逃れ」にもあるように、いろんな方法で毎日梅を摂取するといいね!
大量に使う梅は産地直送が便利
\6月初旬に発送開始予定です/
作った梅の発酵酵素シロップは、いつも炭酸水で割って飲んでいます。
\毎日たくさん炭酸水を飲みたい人に/
>> 電源不要の炭酸水メーカー【e-soda】 でつくる炭酸水なら、
それでは今回はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



梅の季節の手しごと、ぜひ愉しんでくださいね~♪
関連記事 梅の季節とほぼ同じ頃に収穫されるスモモ。スモモジャムの作り方も紹介しています。