「良質のオリーブオイルを買いたいけれど、どうやって選べばいいかわからない」
という人は多いのではないでしょうか。

いろんなオリーブオイルが売られていて、選択肢が多すぎて迷う・・



今使っているオリーブオイルが一体よいのかよくないのか?
よくわからないまま使っています。
といった声もよく耳にします。
- オリーブオイルを買うときにチェックすべきこと
筆者がこだわっている超簡単なチェックポイント2つを伝授 - 今自宅にあるオリーブオイルは、劣化した残念オイル?
誰でもできる!簡略化したテイスティング方法を紹介 - オリーブオイルは黄色より緑色のほうが、いいオリーブオイル?
- オリーブオイルを選ぶときによくある疑問 Q&A
オリーブオイルは上手に選べば、健康への効果はもちろん、格上げ級にお料理の味わいもよくなります。
ぜひ最後までご覧ください。



イタリアオリーブオイルソムリエのみえったです。
- イタリアの複数機関でオリーブオイルを学び、資格を取得
- 他3つの「食に関する資格」を保有
- これまでに延べ500種以上のEVオリーブオイルを試飲
- オリーブオイルの産地を巡るのが好きな元国際線CA
簡単!オリーブオイル選びに失敗しない2つのヒント


オリーブオイルを購入する時に必ずこだわって欲しいポイントから、まずお伝えします。
\オリーブオイル選びに失敗しない2つのヒント/
- 価格は適正かどうか?
- 知識と愛が感じられるか?



誰でもできる簡単なチェックポイントです。
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そのオリーブオイル、価格は適正ですか?
まずひとつめは価格。
値段が高ければよいとも限りませんが、安いものにはやはりそれだけの理由があるのがオリーブオイル。
筆者は、だいたい250mlで2000円前後を目安に、この値段よりもかけ離れて安いオリーブオイルは買いません。



極端に安いオリーブオイルは誠実なオイルではない・・・
これは確かな事実です。
オリーブオイル店員に、知識と愛がありますか?


そしてふたつめ。
お店の人にオリーブオイルの知識があり、もっといえばオリーブオイルへの愛情が感じられること。
エキストラバージンオリーブオイルは・・・
オイル分が混じったオリーブのペーストを遠心分離機にかけ、【搾りかす】と【水分】を取り除いた【オイル】です。
いわば物理的工程のみでつくられた天然オリーブ果実のオイル、科学的に精製されたオイルではありません。
つまり・・・
- オリーブの実の状態が悪いと、ダイレクトにオリーブオイルの品質に影響します。
- 商品となったオリーブオイルは、輸送時や店頭での保管状態が悪いと、賞味期限内でも劣化します。
お店の人にオリーブオイルの知識があり、オリーブオイルへの愛情が感じられるということは、
- 信頼できる生産者やインポーターから仕入れて、
- オリーブオイルの保管環境にも最大限気を配ってくれているだろう・・・
ということが想像できます。



だからオリーブ愛が大事なんだね。



オリーブオイルを正しく選び、正しく保管してくれているという安心感があるよ。
オリーブオイルを販売しているネットショップでも同様です。
知識と愛が感じられるか?と思いながら、商品の説明文を読んでみてください。



ワインを選ぶときと同じ。
実店舗での話に戻ります。
最近はオリーブオイルのテイスティングができるお店も少しづつ増えてきました。
可能ならテイスティングをしてみて、自分で香りや味などの印象を確認してからオリーブオイルの購入を決められたら、なおいいですね。
初心者向けオリーブオイルのテイスティング方法は、次で説明します。
今自宅にあるオリーブオイルは大丈夫?【テイスティングで確認】
オリーブオイルをテイスティングするときのチェックポイントは2つ。
まずは香り、それから口の中で感じる感覚。



簡単で、誰にでもできるテイスティング方法だよ!
ご自宅のオリーブオイルだけでなく、ショップでテイスティングするときにも、同様の方法でぜひ試してみてくださいね。
オリーブオイルの簡易テイスティング方法


オリーブオイルを小さなカップに少量注ぎ、オイルの香りを感じてみましょう。
もしネガティブな印象を受けたら、欠陥オリーブオイルといわれる残念なオイルだと考えられます。
ただし精製されたオリーブオイルは、香りや味などの個性が取り除かれています。
したがって、香りはほとんど感じられないでしょう。
\オリーブオイルの香りを嗅いでみて・・・/
もし香りにネガティブな印象を感じたら、ここでテイスティングは終了となります。
特徴的な香りがない精製オリーブオイルだった場合も、同じくここでテイスティング終了です。


オイルの香りを嗅いでみて、ネガティブな印象のないことを確認したら、次に思い切ってテイスティングにトライしてみてください。
刈りたての草やトマト・リンゴやナッツなど、好ましい味(と香り)が口の中で感じられるはずです。
\さらに・・・/
良薬のような苦み・喉の奥にピリピリした辛みを感じ、もしかしたら驚かれるかもしれません。
ですがご心配なく!苦みや辛みはポリフェノール由来によるもので、良質オリーブオイルの証しです。



オリーブオイルの辛さが喉を刺激して、テイスティング中に咳込んでしまうこともよくあるよ。
良質オリーブオイルはベタつきがなく、サラサラしています。
劣化したオリーブオイルとの違いも感じてみてください。
ワインと同様、オリーブオイルにも「正式なテイスティング方法」というものが実は存在します。
今回は、初めての方向けに「簡略化したテイスティング」を紹介しました。
大切なことは、
- 先入観を持たないこと
- 自分が感じた感覚をたいせつにすること ←大事
そしてできれば、いちばん感覚が敏感になる時間帯:午前中の空腹時のテイスティングをおすすめします。



初テイスティングで、もし好ましい感覚があったら感動するよ!
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【選ぶときに役立つ】オリーブオイルよくある質問 Q&A
オリーブオイル選びに関して、よくある質問をまとめました。
黄色より緑色のほうが、いいオリーブオイル?


結論からいうと、オリーブオイルの色と品質は無関係です。
オリーブオイルに含まれる微量成分のひとつであるクロロフィルが多いと緑色、少ないと黄色っぽいオリーブオイルになります。



緑色のオリーブオイルほど、いい品質というわけではないんだね。
とはいえ、緑色したオリーブオイルのほうがいい印象を受けがちです。
オリーブオイル鑑定士がオリーブオイルの品質チェックをするときは、指定の青いグラス※を使うというルールがあります。
※インターナショナル・オリーブ・カウンシル(IOC)が定めるオリーブオイル国際規格による





オリーブオイルの視覚よる先入観をなくし、正確な評価をするために、青いグラスが使われているんだよ。
オリーブオイルの色は、品質には関係なし。
色に惑わされることなく、オリーブオイルを選びましょう。
【どちらを選ぶ?】オリーブオイルの「フィルター」「ノンフィルター」について
オリーブオイルを買うときに、「フィルター」や「ノンフィルター」と書かれているのを見たことありませんか?



まずはフィルターと書かれたオリーブオイルについて解説するよ。
搾油して間もないオリーブオイルは、透明ではなく少し濁っています。
オリーブオイルのなかに、遠心分離機では除ききれなかった細かな果肉が浮遊しているからです。
搾油したばかりのオリーブオイル





搾りたてホヤホヤは濁っているんだね。



まるで濃厚なジュースみたいだよ。
この濁ったオリーブオイルにフィルターをかけて濾過(ろか)すると、透き通ったオリーブオイルになります。
搾油後にフィルターをかけたオリーブオイル


フィルターをかけて濁りを取り除くことにより、オリーブオイルの品質が安定します。
一方ノンフィルターのオリーブオイルとは、文字どおりフィルターをかけていないオリーブオイルのこと。



一般的なノンフィルターのオリーブオイルについても解説するよ。
搾油したオリーブオイルを、温度調整機能つき真空ステンレスタンクに入れて一旦保管します。
そのまま数か月置いて果肉のカスが沈殿したら、透き通った上澄み部分のオリーブオイルをボトリング。出荷されます。



フィルターをかけて濁りをとるか。
フィルターをかけずに沈殿させて濁りをとるか。の違いなんだね!
- 「フィルターをかけているオリーブオイルのほうが品質が長く保たれる」という人もいれば、
- 「ノンフィルターのオリーブオイルのほうが個性的な風味ある」という人もいます。



どちらも一長一短。
「フィルター」「ノンフィルター」どちらを選ぶかは人それぞれなので、お好みで選んでください。
「ノヴェッロ」ってどんなオリーブオイル?


オリーブの収穫時期になると、「新オリーブオイル」が出回ります。
新オリーブオイルのことを、イタリアではノヴェッロまたはオーリオ・ヌォーヴォといいます。



収穫・搾油して間もないオリーブオイルのことだよ。



フランス語では「ヌーボー」だよね。
産地では、搾りたてノヴェッロを炭火で焼いたパンにたっぷりかけて食べるのが、秋のお楽しみとなっています。
搾油所内でも食べました


ピリッとした辛みのある新オリーブオイル・ノヴェッロは、
火であぶって焦げ目をつけたパンとの相性がバツグンなのです。



搾りたてでノンフィルターということは・・
不透明なオリーブオイルだね!
ノヴェッロの濁りの元である細かなオリーブ果肉は、時間の経過とともに沈殿します。
沈殿した澱(おり)は、オリーブオイルの劣化を加速させる原因に。
晩秋から初冬ごろに日本にも届くノヴェッロは、このようにデリケートなため、数量限定で輸入されることがほとんどです。



先行予約中に完売してしまうことも多いようだよ。



期間限定の贅沢なオイルなんだね。


もしノンフィルターのノヴェッロを購入したら、すぐに栓を開けて1・2ヶ月で使いきることがたいせつ。
新鮮で香りや味が強いノヴェッロは、ぜひ生食でいただきましょう。
【D.O.PとI.G.P.】認証マーク入りのオリーブオイルを選べば品質は安心?


EU(欧州連合)で食品などに共通して使われている、これら地域保護制度の認証マーク「D.O.P.」と「I.G.P.」。
オリーブオイルだけでなく生ハム・チーズなど、さまざまな食品に使われているマークなので、見たことのある人も多いかと思います。
D.O.P. や I.G.P. の認定マークは、それぞれの細かなルールすべてを遵守した製品にだけに与えられます。
D.O.P.や I.G.P. とは?
D.O.P. | I.G.P. |
Denominazione di Origine Protetta 原産地保護呼称 | Indicazione Geografica Protetta 地域保護表示 |
地域に根付いた品種や独自性のあると認められたもの (誠実性・限定された生産地・地域との結びつき) | 概念としてはD.O.P.とほぼ同じ D.O.P.より規定が柔軟なことが多い (もしくは対象地域が広め) |
認証マークからわかるオリーブオイルのこと
- オリーブ栽培・搾油・瓶詰めまですべての工程を、指定地域内で行われた
- 土地固有の品種のオリーブで、産地ならではの個性を尊重して作られた
- 細かな規定を遵守し、正しく製造されたオリーブオイル
認証マークによって、産地を偽装したオリーブオイルを買ってしまうのを避けることができます





このマークがついていると「品質が優れている、おいしいオリーブオイル」だってこと?



というよりは、認証マークはオリーブオイルを選ぶときの目安のひとつかな。
これら認証マークは、つけたい生産者だけが任意申請しています。
申請には審査費用がかかるため、あえて申請しないという生産者も多くいます。
D.O.P. や I.G.P. の認定マークは、産地の個性や品質を守るための厳しいルールに合格したオリーブオイルの証し。
認証マークがなくても、品質のいいオリーブオイルはたくさんあるということも覚えておきましょう。
【プラスチック容器入りオリーブオイル】品質的にどうなの?


結論から言うと、プラスチックの容器に入ったオリーブオイルは買わないでください。
プラスチック容器入りのオリーブオイルを避けたい主な理由は3つ。
プラスチック容器入りオリーブオイルを買うべきではない理由
- プラスチック容器は微量ながらも空気を通すため、酸化がすすんでいる可能性が高いから
- ペットボトルに似た透明容器だと、光によってオリーブオイルが劣化している可能性が非常に高いから
- 「250mlで2000円前後の値段」より、かけ離れて安いオリーブオイルがほとんどだから



極端に安いオリーブオイルは誠実なオイルではない・・・
いいオリーブオイルを見分けるヒントのひとつだよ。
オリーブオイルに光・高温・空気は大敵です 。
遮光瓶やステンレス缶に入ったもの、もしくは箱に入れられたガラス容器、かつ2ヶ月ほどで使いきれる量のオリーブオイルを選ぶようにしてください。


エキストラバージンオリーブオイル売り上げランキング(楽天市場)
「エキストラバージン」と記載のない「オリーブオイル」とは?


日本国内で販売されているオリーブオイルには、3つの種類があります。
- エキストラバージンオリーブオイル
- オリーブオイル または ライトオリーブオイル
(かつてのピュアオリーブオイル) - オリーブポマースオイル または サンサオリーブオイル
オリーブオイルと書かれていても、それぞれに製造工程やオイルの内容が異なります。



違いを知っておくと、オリーブオイル選びでの迷いが少なくなるので解説するね。
エキストラバージンオリーブオイルとは


オリーブオイルとテーブルオリーブの国際協定に基づく政府機関「インターナショナル・オリーブ・カウンシル(IOC)」の加盟国では、オリーブオイルの品質規格が厳密に定められています。
バージンオリーブオイルとは:精製などの化学処理がいっさい行われていないオリーブオイルのこと。
バージンオリーブオイルの中から、次の条件をクリアしたオイルだけがエキストラバージンを名乗ることができます。
- 酸度が0.8%以下(酸度は低いほど◎)
- さらにオリーブオイル鑑定士による感覚分析テストに合格していること



イタリアでは、オリーブオイル鑑定士は国家資格だよ。
日本はIOCに加盟していないためエキストラバージンの規格がなく、基準があいまいです。
IOC加盟国でエキストラバージンの表記が認められないオリーブオイルでも、日本ではエキストラバージンを書かれている商品が多く存在します。



だから正しい選択眼が必要なんだね。
エキストラバージンでないオリーブオイルとは
「エキストラバージン」とどこにも書かれてない「オリーブオイル」とは、精製されたオリーブオイルのことをいいます。



精製で化学処理されてたら「バージン」と名乗ることはできないよね。
精製オリーブオイルが作られる工程
- エキストラバージンと認められない低品質オリーブオイルを、化学溶剤を使って精製。
- 酸度を0.3%以下まで下げ、風味づけにバージンオリーブオイルを添加。
脱臭・脱酸などにより、オリーブオイルらしい風味がほとんど感じられないオイルです。



かつてピュアオイルと呼ばれていたオリーブオイルも、これにあたるよ。
オリーブポマースオイル/サンサオリーブオイルとは
サンサ(sansa)とは、イタリア語で「オリーブの搾りカス」のこと。
オリーブオイルを搾油した後に残った搾りカス


オリーブオイルの搾りカスに、溶剤や物理的処理を加えることによりオイル分を抽出。
この搾りカスのオイルを精製して得られるオイルのことを、「ポーマス」または「サンサ」オリーブオイルといいます。



日本でも食用として売られているのを見るけど、手作りソープなどの材料としてもよく使われているよ。
オリーブオイルの種類を知って、用途によって使い分けるといいですね。
有名人が使っているオリーブオイルを選べば安心?


以前、いろんなオリーブオイルをテイスティングする勉強会に参加した時のこと。
有名人が使っていることで知られているオリーブオイルがあったので、開栓してみようということになりました。
テイスティングしてみて・・・
会に参加していた私たちの意見は、全員一致で残念なオリーブオイルに。



意外な結果でした。
もちろん、元々高品質だったのに何かの要因で劣化、たまたまその1本だけが状態のよくないオリーブオイルになってしまった・・・という可能性もあります。
ただこの残念だった有名オリーブオイルは、輸入販売元から直接仕入れ、きちんとした管理下のもとで保管されていました(のはずです)。
知名度や値段の高さだけを理由に、オリーブオイルを選ぶのはリスクがあるかもしれません。
まとめ|オリーブオイルを選ぶときの指針


本記事では「オリーブオイルを選ぶときにチェックしておきたい2つのこと」について書きました。
さいごにもう一度まとめます。
- 価格が適正かどうか。
>> 250mlで2000円前後を目安にして、かけ離れて安い価格のものは避ける - お店の人にオリーブオイルの知識があり愛情が感じられるか。
▶ 簡単!いいオリーブオイルを見分けるふたつのヒント を読んで、もう一度確認する



これくらいだったら難しくないね。
ありとあらゆるモノが容易に手に入る今日の日本。
オリーブオイルも・・・
宣伝に惑わされることなく、たくさんの選択肢の中から ホンモノを見分ける力 を身につけられたらベスト◎
知識と愛がある店主から買ったオリーブオイルを、テイスティングにより自分でも確認し、納得することができたらより安心ですよね。


そして、もっとこだわりたいのなら・・・
いろんなオリーブオイルをティスティングしてみて味や香りの違いを感じ、お気に入りの1本を見つけてみてはいかがでしょうか。



オリーブオイルのことを知って、健やかなオリーブライフを送りましょう!!
\さっそく好みのオリーブオイルを探しませんか/


本サイトでは、これからもオリーブオイルに関する記事を書いていきます。



よかったら時々のぞきにきてくださいね。
さいごまでお読みいただき、ありがとうございました。