イタリアにもご当地グルメってあるのかなぁ。
当記事では、こんな好奇心にお応えします♪
イタリアの港町リボルノで、地元の人に長く愛されているB級ローカルフードを紹介します。
- 港町リボルノのB級ローカルフード「チンクエ チンクエ(5e5)」って?味はどう?
- チンクエ チンクエはどこへ行ったら食べることができるの?
リボルノでいちばん人気のお店は? - チンクエ チンクエの注文の仕方は?
どんなドリンクと合わせるといいの? - リボルノ以外の町でも、同じようなローカルフードってあるの?
イタリア旅行へ行っても、たぶんリボルノへは行かないし・・・
リボルノのチンクエ チンクエによく似た食べものが、地中海沿岸の他の町にも見つけることができるんです。
もしかしたら、他の町でもご当地ローカルフードとして食べることができるよ。
イタリアのガイドブックが教えてくれない、おそらく地元の人しか知らない「リボルノのB級グルメ・チンクエ チンクエ」。
グルメ旅をしている気分で、ぜひさいごまでご覧ください。
ミエッタです。
「伊・食・旅」をテーマに情報発信しています。
- 乗務歴20年2ヶ月の元国際線CA
- 日本とイタリアをもっと自由に行き来したくて早期退職
- イタリア在住経験あり
港町リボルノの隠れ名物5e5(チンクエ チンクエ)とは?
トスカーナ地方の港町リボルノで知らない人はいない、愛すべきB級グルメを紹介します。
ひよこ豆の粉を溶いて味付けし、薄く焼いたクレープ。
この黄色いクレープを、リボルノでは”トルタ ディ チェーチ”といい、略して”トルタ”と呼んでいます。
もしかしたら他の町から来たイタリア人の中には、トルタと聞くとケーキを連想し、甘いお菓子のことだと勘違いされる方もいるかもしれません。
でもリボルノのトルタはうっすら塩味。
ぼそぼぞとした不思議な食感と、懐かしさを感じる素朴な味がします。
食べだすと止まらなくなります。
このひよこ豆の”トルタ”をパンやフォカッチャにはさんでパニーノにして食べるのが、リボルノ風。
パニーノの名前は、5e5(チンクエ チンクエ)といいます。
5e5をイタリア語では「チンクエ エ チンクエ」と発音します。
略してチンクエ チンクエ ♪
これが港町のファーストフードなんだね!
チンクエチンクエという名前の由来は、かつてひよこ豆のトルタの値段が5リラでパンの値段が5リラだった頃にまでさかのぼります。
当時、トルタをはさんだパニーノを店で注文する時に「5と5」と言っていたことの名残りから、5e5(チンクエ チンクエ)と呼ばれるようになったという説が有力といわれています。
チンクエ チンクエに合わせるドリンクは、泡が断然おいしい。
地元っ子リボルネーゼ達は、ビールと一緒にチンクエ チンクエを食べるのが好きです。
ノンアルコールだったら、コーラや炭酸入りミネラルウォーターと合わせて食べることが多いです。
港町リボルノについて
ところでリボルノってどんなところ?
一応サクッと、ここでリボルノのことをご紹介しておきますね。
リボルノ(Livorno)はイタリア中部トスカーナ地方に位置します。
有名な観光都市ではありませんが、サルデニア島やコルシカ島行きのカーフェリーや豪華客船が発着する大きな港町です。
リボルノで有名な名物料理といえば、まず頭に浮かぶのが「カッチュッコ(cacciucco alla livornese)」。いわゆる魚介類のごった煮、とてもボリュームあるお料理です。
フランス料理のブイヤベースにもちょっと似ています。
あと「リボルノ風バッカラ(baccalà alla livornese)」も、イタリア料理好きや食通の方にはよく知られています。
塩漬けにした鱈のことをイタリアではバッカラといいますが、戻したバッカラをトマトソースで煮込むのがリボルノ風です。
食に関しては、魚介類がおいしいことで有名な町なんです。
リボルノのチンクエ チンクエについては、地元ではとてもポピュラーなB級ファーストフードにもかかわらず、日本ではまだほとんど知られていません。
リボルノでチンクエ チンクエを食べるならここ【ダ・チェッコ】
リボルノの町を歩いていると、時々こんな文字が書かれた看板をみかけます。
- Pizza e Torta(ピッツァとトルタ)
- Torta(トルタ)
- Torteria (トルテリーア)
これらの看板のあるお店が、チンクエ チンクエを食べることができるお店です。
そして、リボルノでチンクエ チンクエの人気店といえば、このお店!
店の名前は「Da Cecco ダ・チェッコ」。
ダ・チェッコを知らない地元っ子はおそらくいないだろうと言えるほどの人気店です。
創業は1960年。店の入り口では、次々に入ってくるお客さんが後を絶ちません。
店内にはテイクアウトの順番待ちをする人であふれかえっています。
つくっている様子をのぞきこむ人(わたしですね)、知り合いをみつけて立ち話をする人など・・・
できあがりを待つ時間も楽しいひとときです。
メニューはチンクエ チンクエやトルタの他にもいろいろあって♪
たとえば、いろんな具が選べるパニーニやピッツァもあります。
店内には、座って食事をするためのテーブル席も沢山用意されています。
テイクアウトだけではないんだね!
午後8時を過ぎたころになると、テーブル席はほぼ満席に。
いつも大勢の地元の人でにぎわっているよ。
トルタを焼いているところ
トルタが焼きあがりました
ダ・チェッコでいちばん人気は、このふたつ。
窯で焼くひよこ豆のトルタ。
トルタをパンではさんだパニーノ・チンクエ チンクエ。
見ていると、来店したほぼすべての人が注文しています。
焼き上がったばかりの大きなトルタも、あっという間に切り分けられ、無くなっていきます。
トルタとチンクエ チンクエで有名なお店なので、注文時にこのどちらかは外せません。
チンクエ チンクエの注文方法
ダ・チェッコではチンクエ チンクエを注文時に、いろいろと質問されます。
そう、チョイスが多いんです。でも聞かれることは決まっているので、あらかじめ言葉がわかっていればそう難しくはありません。
選択肢をすべて教えるので大丈夫!
チンクエ チンクエ注文時の選択肢はこちら
- まずはグランデ(大きいサイズ)かピッコロ(小さなサイズ)か?
- パンはパーネフランチェーゼ(バケット)かフォカッチーナ(丸いフォカッチャ)か?
- パンにはさむ具はトルタだけ?それともトルタとヴェルドゥーラ(グリルした野菜のペペロンチーノオイル漬け)?
- もしトルタとヴェルドゥーラを具に選んだ場合、野菜はメランザーネ(茄子)?ズッキーネ(ズッキーニ)?ペペローニ(ピーマン)?
太字部分はイタリア語の発音です。
イタリア語はカタカナ読みで通じるので、ぜひ注文にチェレンジしてみてください♪
地元の人々、リボルネーゼ達が好きなチンクエ チンクエの組み合わせは?というと、
パンはフォカッチーナ、パンの中にはさむ具はトルタとメランザーネ(グリルした茄子のピリ辛オイル漬け)がいちばん人気です。
メランザーネ(茄子)をパニーノにはさむのがリボルノ風
食べるときには、トルタの上に白コショウをたっぷりかけて食べるのが通なんだそうです。
もし、そんなにお腹がすいてなくて、
でも食べたーい!
という時には、パニーノのチンクエチンクエではなく、トルタのみを注文します。
原材料が豆(ひよこ豆)なだけあって、トルタだけでも結構食べ応えがあるからです。
自分の胃と相談して(日本人は少食なんです..)トルタのみ注文することもあります。
トルタが好きなので、トルタだけを味わいたい時も♪
トルタは、重さによって値段が決まる量り売り。
お店の人に適当に入れてもらって、もうこれくらいかなという量で「バスタ」と言えばストップしてくれるでしょう。
市場で量り売りしてもらうシチュエーションでも使えそうだね!
チンクエ チンクエのお店「ダ・チェッコ」では、毎年秋冬のみ焼かれる季節限定のほろ甘いお焼きもおいしいと評判です。
栗の粉からつくられた、トスカーナ名物カスタニャッチョ。
栗の自然な甘さの中に、干し葡萄や松の実が引き立つ味わいの焼き菓子です。
もし秋冬にお店へ行かれたら、カスタニャッチョも味わってみてください。もちろんテイクアウトもできますよ。
お砂糖は不使用、栗の甘さにほっこりできるお焼きです。
Pizzeria da Cecco(ピッツェリア ダ・チェッコ)
住所:Via Cavalletti 2, 57126 Livorno
電話番号:+39 0586 881074
開店時間17時 不定休
なお、本記事でもアップデートをしていきますが、最新情報は各自でもご確認いただきますようお願いします。
昔この町に2年ほど住んでいたことがあるのですが、今でもリボルノへ行くと必ず一度は食べに行くお店です。
リボルノだけじゃない!地中海沿岸のB級グルメめぐり
ここまでリボルノのご当地グルメのひとつ、チンクエ チンクエやトルタをご紹介してきました。
あちこち旅をしていて知ったのですが、ひよこ豆の粉からつくられたクレープは、実はリボルノだけの味ではありませんでした。
興味深いことに、ひよこ豆のクレープに出逢うのは地中海沿岸の町ばかり。
それぞれの地でローカルフードとして食されています。
きっとルーツは同じなのでしょう・・・
でも、各地で名称や調理法・食べ方が少しづつ違っていて、それぞれオリジナリティーがありました。
いつの間にか、地中海沿岸の町で名前や姿を変えたトルタを見つけるのが楽しみのひとつになっています。
代表的なものを紹介しますね。
チェチーナ(ピサ)
リボルノの隣町ピサで食べられている、ひよこ豆のクレープ・チェチーナ(cecina)です。
見た目も味も、トルタとほぼ同じ。
ただしピサではメランザーネ(茄子)は入れません
リボルノの町では「トルタ」、ピサの町では「チェチーナ」
隣町なのに名称がちがっているのがイタリアのおもしろいところです。
ピサの斜塔
ファリナータ(リヴィエラ沿岸)
ファリナータ(farinata)は、北イタリアの東リヴィエラ海岸の町でみかけるリグーリア風ひよこ豆のクレープ。
わたしはアラッシオ(Alassio)という海辺の町で食べました。
この地域には他にも、ひよこ豆の生地を揚げて作られた「パニッサ」という食べ物もあります。
ソッカ(コートダジュール)
国境の向こう側、南フランスのニースにもありました。ファリナータによく似たひよこ豆のクレープ・ソッカ(socca)です。
旧市街にあるソッカ専門店だけでなく、海岸近くの露店などでもストリートフードとして売られています。
パネッレ(シチリア島西海岸)
ラストはイタリアを南下、地中海に浮かぶシチリア島へ飛びます。
シチリア西海岸の町トラーパニで見つけたストリートフード・パネッレ(panelle)です。
パネッレは、ひよこ豆の生地を焼くのではなくオイルで揚げています。
やめられない止まらない素朴な味わいは、リボルノのトルタと同じ。
トラーパニだけでなくパレルモの街でもパネッレを食べることができます。もし見かけたらお味見してみてくださいね。
ひよこ豆のクレープは、地中海沿岸のソウルフードだったんだね!
リボルノと地中海沿岸のB級ローカルフードをもとめて
本記事では、イタリアの港町リボルノで長く愛されているローカルフードを紹介しました。
リボルノのファーストフードです♪
- ひよこ豆のお焼き:トルタ
- トルタをはさんだパニーノ:チンクエ チンクエ
食事をサクッとすませたい時にも便利ですよ
「リボルノへ行かない」という人も、地中海沿岸のどこかの町でひよこ豆のお焼きをみつけたら、ぜひ味わってみてくださいね。
さいごまでお読みいただき、ありがとうございました。
6月にリボルノへ行くなら、隣町ピサで開催されるお祭り情報もチェック!
イタリアでは、お土産をさがしにスーパーマーケットへ行くのもお忘れなく♪
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